溺愛オフィス
そんなの、自分がよくわかってる。
それに……
「母はともかく、父は気にもしてないですよ」
父はきっと、私に関心すらないだろう。
日々の生活の中で、私のことを思い出す瞬間もない気がする。
今も昔も、父にとって私は……って、ダメダメ!
またネガティブな思考に囚われるところだった。
前向きに。
前向きに。
呪文のように心の中で繰り返す。
だけど、まだお見舞いに行けてないことを思い出して、また気持ちが沈んだ刹那。
「蓮井、ブサイクなツラになってるぞ」
またしても、余計な一言が降ってきた。
もう!
本当、桜庭さんといい壮介君といい、どうして私の周りには意地悪な人が多いんだろ。