溺愛オフィス


「元々たいした顔じゃないんです!」


自分で言ってて悲しくなる言葉。

なんかもう、今日は散々な気がする。

桜庭さんも、この前は何だか優しかったのに、今日は意地悪──


「そうか?」

「……え?」

「俺は悪くないと思うけど?」


桜庭さんはさらりと言って、生ハムのクリームチーズ巻きを食べる。

特にからかってる様子もなくて、私は戸惑いを隠せなかった。


これは……褒められた、のかな?

ううん、待って。

気を使われたのかもしれない。

なんせ桜庭さんだ。

あんなに魅力的なKAORIさんと付き合っていた桜庭さんだもの。

ていうか、そう。

KAORIさんよ。


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