溺愛オフィス
【変わらないです】
恋をすることに怯えるようになったのは、いつからだったろう。
初恋は小学六年生の卒業間近で、周りの子よりは遅かった方。
なんせ、小学生の頃の男の子といったら、意地悪なことを言ったりしたりする子が多くて苦手だったのだ。
だから、私の初恋相手は読書が趣味の、とても穏やかな男の子。
幸いにも中学も同じで、私は彼にずっと片思いをしていた。
けれど、三年の春、彼に彼女が出来てしまい、失恋。
以来、しばらく新しい恋に出会うことはなかったのだけど……
高校二年の時、初恋の彼のように穏やかなクラスメイトと仲良くなり、告白されて……付き合うことになって。
とても、好きだった。
ドキドキしたけど、手を繋ぐことも出来てた。
だけど……そう、だけど、彼の家に遊びに行ったある日。
『柊奈ちゃんっ!』
『──え?』