溺愛オフィス
「お前の身長でその服はバランスが悪い。ベルトを使って、スタイル良く見せた方がいい」
そう言って、桜庭さんはプレスルームに並ぶベルトから、細めのベルトを手にすると、私の腰に巻きつける。
当然、私たちの距離は縮まって。
桜庭さんから仄かに感じていたコロンの香りが
強くなった。
「位置はこの辺り。プレスは会社の顔だ。気をつけろ」
「は、はい……」
私が首を縦に振ると、満足したのか桜庭さんはプレスルームを出て行く。
残された私は、いきなりの接近にドキドキしっぱなしの心臓を落ち着けるように、掃除に勤しんだ。