溺愛オフィス
「でもさ? KAORIの嫌なとこがメディアに露出することがあったら、それはそれでブランドのイメージがた落ちじゃない?」
「うん……そうなんだけどね……」
もちろん、桜庭さんはそれも懸念して、社長に伝えたらしい。
それでも社長は、とにかくKAORIさんを起用することを押したのだ。
私がそのことを話すと、美咲は「社長の頭でっかち」と文句を口にする。
私はそんな美咲に曖昧に笑って、ラザニアを口に運んだ。
ラザニアは私の好物だ。
今日のランチメニューで目にした時、これを食べてモチベーションを上げようと思って注文したのに……
いつもは美味しく感じるはずの味は、どこかそっけなかった。