溺愛オフィス
「いえ、大丈夫です。それで、KAORIさんのことだと伺ったんですけど……」
私が壮介君の隣に腰を下ろしながら確認すれば。
「ああ、さっき正式な回答があった」
桜庭さんの言葉に、壮介君が首を捻る。
「"正式"? 話し合いもしてないのに?」
そうだ。
リアライズは、まだ謝罪に出向けていない。
アポさえとれてないんだから。
なのに、正式な回答だなんて……
桜庭さんの表情もどこか硬さがあるし、嫌な予感がする。
「桜庭さん……その、回答って?」
どうか、予感が当たりませんように。
そう願いながら聞いた。
──けれど。