溺愛オフィス
「は、初耳なんだけど!」
待って、待ってよ、待ってください。
確か、先週もお医者さんの彼氏とデートしてたよね?
新しい靴だか何だかを買ってもらったって、喜んでたよね!?
驚きつつ、ランチプレートのサラダにフォークを刺すと、美咲は透明なグラスに入ったアイスティーを手にとって。
「そうだっけー?」
なんて、飄々とした返事を口にした。
「いつの間に別れてたの?」
問いかければ、美咲はごちそうさまと言って食器を少し横にどけると。
「別れてないよ?」
ニッコリと笑う。
「……美咲……」
「お説教はいらないからね?」
呆れ顔の私にそう言って、美咲はまたアイスティーを口にする。