溺愛オフィス

【欲張りな私たちです】



──ツキン。


頭に感じた痛みに、私は目を覚ました。

カーテンの隙間から差し込む朝陽。

窓の向こうから聞こえてくる可愛らしいスズメの声。


爽やかな一日の始まりに、私は手でこめかみを押さえながら掛け布団をめくり身体を起こした。


ベッドサイドの時計に目をやれば、いつも起きる時間よりも1時間ほど早い。

とりあえず頭痛薬を飲もうとベッドから立ち上がって、ふと気付く。


自分の着ている服がパジャマじゃないことに。


「あ……あれ?」


これ、確か昨日着ていった服……

と、そこまで思い出したら、昨日の記憶が一気に甦ってきた。


BARで偶然KAORIさんに会ったこと。

そこでお酒の勝負を持ちかけられたこと。

それから、すぐに潰れてしまった私は……



『酒に弱いのに無茶するな』


桜庭さんに、介抱されてた!?


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