溺愛オフィス
あれっ、ちょっと待って。
どうして私、桜庭さんのお世話に!?
BARにはいなかったはずなのに。
え? もしかしてあのBARにいたの?
よくわからない。
よくわからないけど、私……
『お前は考え過ぎなんだよ』
桜庭さんに、抱き締められた気がする……!
い、いやいや、ありえない。
それは夢だったかもしれない。
だとしたら、介抱されたのも夢かもしれない。
そう思って、キッチンの方になんとなく目を向ければ。
二人がけの白いダイニングテーブルの上に
不恰好なおにぎりが。