溺愛オフィス
「しょっ、正気ですかっ!?」
思わず身を乗り出してしまうと、桜庭さんは冷静に頷く。
「とりあえず、ブランドイメージに近い写真を撮って、社長に見せてみる」
「桜庭さん、私には」
「蓮井。ブランドのテーマは?」
「……挑戦、です」
「してやろう」
口元に笑みを浮かべてた桜庭さんが、立ち上がった時だった。
「それ、面白そう」
閉まっていたと思われていたはずの扉から、美咲が覗き込んでいて。
「私、あの女嫌いだし、協力しちゃいます。スタイリストもヘアメイクも一流を揃えましょ?」
私が返事する間もなく、美咲の協力の元、私がモデルになるという計画がスタートしてしまった。