溺愛オフィス


「モデルってことは、宣伝的なプロジェクトなんですかね」

「でしょうね」


二人の会話を聞きながら、私は綺麗なオレンジ色のアペロールソーダを一口、喉に流し込む。

爽やかな甘さが口の中に広がって、ふと沸いた疑問を声にした。


「トップモデルって誰だろ」


すると、美咲は食べていた小玉ねぎのグリルを飲み込んで頭を振る。


「そこまでは話してくれなかったからわからないなー」


ということは、秘書君はわかってるけどそこは堪えたんだ。

偉い、なんて心の中で褒めていたら。


「てか、誰情報?」


やっぱりそこ、気になるよね。

壮介君は美咲に問いかけたけど「内緒ー」とかわして。


「まあ、プロジェクトに関してはそろそろ発表されるんじゃない?」


そう言葉を続けた。

トップモデルを起用したプロジェクトかぁ。


「ちょっと楽しみだね」


口にすると、美咲も頷いて。

だけど、壮介君だけは、誰からの情報なのか気になっているようで唇をちょっと尖らせていた。


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