溺愛オフィス
──二時間後、美咲は医者の彼が車で迎えに来てくれて帰って行った。
私と壮介君は、現在、二人で駅へ向かって歩き始めたところ。
「あー、美味しかったー」
ネオン溢れる夜の道。
満腹になったお腹をさすると、順調に肥えてるねと嫌味を言われる。
「昨日測ったけど増えてませんでした!」
「あ、一応気にしてたんだ?」
からかうように笑う壮介君。
ホント、口が減らないんだから。
「にしても、柊奈さん、相変わらず酒あんまり飲まないね」
「得意じゃないから」
「嫌なこと忘れるには、もう少し飲んでもいいと思うけど」
嫌なことを忘れる、か。
やっぱり、午前中の私の様子を見て心配してくれてたんだね。