溺愛オフィス
午後──
DMの発送作業をしていたら、早乙女さんに声をかけられた。
「蓮井に日宮。桜庭さんがお呼びよ。A2会議室に行って」
桜庭さんが?
私は隣の席に座る壮介君を見る。
「……なんだろ?」
「さあ? ま、とりあえず行ってみよ」
壮介君の言葉に頷いて、私は腰を上げた。
そして、壮介君と二人、会議室の前に立つとノックをして扉を開ける。
「失礼します」
中には桜庭さんのみが椅子に座っていた。
桜庭さんは、私たちに座るように促す。