溺愛オフィス


私は再び慌ててしまう。


「あの時はすみませんでした……!」


そうだ。

ちゃんともう一度謝ってお礼を言わなければと思ってたのに、プロジェクトのこで頭がいっぱいになり過ぎてた。

未だヒールがマンホールの穴にハマったまま謝ると、桜庭さんは気にした様子もなく。


「そんな理由ならしょうがないだろ」


そう言った直後、意地悪そうに微笑んで。


「なんなら俺が助けてやろうか?」

「え?」

「俺で良ければいくらでも触ればいい」

「なっ……」


そ、それって!



< 55 / 323 >

この作品をシェア

pagetop