溺愛オフィス
「な、なに?」
「ハードルが高いと思うってことは、恋の予感はありな感じ?」
こ、恋の予感って!
確かに、いつもと違う雰囲気の桜庭さんには、ほんのちょっとドキッとした。
それから、桜庭さんのくれた言葉が嬉しかったりもしたよ?
けど、それは恋とかそんなんじゃ……
「な、ないっ! そもそも、私はもっと優しくて穏やかな人がいいの!」
そうだ。
私は、私のペースに合わせてゆっくりと恋を育んでくれるような人が──
「俺ももっと色気があって、マンホールにハマらない女がいいな」
……え?
あれ?
ちょ、この声はもしかして……
嫌な予感に恐る恐る声のした右方向に視線を移すと。