溺愛オフィス


「……へ? な、何急に……」


私はポカンとしながら、壮介君を見た。

壮介君はさっきと変わらずなんだか不機嫌なオーラを発していて。

その唇が動いたかと思えば。


「むかつくから」


ボソッと零す。


「はい?」

「むかつくから!」


む、むかつくからデート?

よくわからないけど、壮介君がイラついているのは確かなようだ。

けれど、日曜は予定があるし、壮介君の発したデートという響きに私は戸惑う。

いや、きっと深い意味はないはず。

イライラしてるから気晴らしに付き合えっていう話なんだろう。



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