溺愛オフィス
壮介君の顔をまともに見る勇気もなく俯いていたら、桜庭さんが体を起こした。
そして……
「日宮、どうした?」
平然とした声で壮介君に声をかける。
「……柊奈さんに用があって」
「らしいぞ」
「は、はい。あ、えっと、これ。確認お願いします!」
私は目的であったスケジュール用紙を桜庭さんに渡して。
「それじゃ、失礼しますっ」
頭を下げ、壮介君の横を通り抜け応接室を出た。
壮介君は何も口に出さず私の後ろをついて来たけど……
席についた途端。
「……何、さっきの」
怒ったように小声で聞いてくる。