二人日和
あたしは、¨月夜¨


ただの、村人。



一人で暮らしてる14歳。


両親は、殺された。


王族に……。


あたしを守る為に…。


三人分の税が重くて、払えなくて……


まだ小さかったから、逃した王族を、あたしは許さない。


父上と母上の瞳は、暖かくて綺麗なものが詰まっているのに。


あいつ等は、冷えきっている…

でもあたしは、頑張って畑や田を耕している。


米を一生懸命…


こんな時代、早く消えてしまいたかった。


「月夜ー!」

あたしに声をかけた人。
あたしの、大切な大切な、友達……。 ¨美代¨


たまに米を分けてくれる。
美代も、お父さんが殺された。

「わざわざありがとう!」


あたしが美代に微笑んだ。


微笑みは、自然や美代にしかしない。


「いえいえ!月夜は、一人なんだから、これくらい普通だよ!」


いつもの同じセリフ。


でも嬉しくて、胸にしみた。


些細な幸せ。


だから、頑張れる。


その時、美代はいったん、悲しい顔をした。
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