二人日和
美代があたしの手を掴んで、同時に足を止めた。



美代の顔がやけに険しい。


下ばっかり、うつむいている。

「美代…?」


後ろから襲ってくる男の怒鳴り声がやけに響いてきた。


美代が口を開いた。


「月夜…、あたし、母上のかたき、うってくるね」


「美代!!!」


美代は男に向かって走った。


「美代ーっ!!!!」


あたしは呼び止めた。


でも美代は決して振り向こうとしなかった。


あたしは何故か足が動かない。


そして、激しい音や悲鳴が聞こえる。


「み…よ…」


襲ってきた男に、美代は必死に石で殴ったり、噛んだり…


でも、はむかって殴る男。


いくら何でも、力の差がありすぎる。


美代は頭から血を流していた。

「美代!!やめてーっ!!!いやぁー!!!」


あたしはやっと足が動いたところ…


美代が刀で腹を刺された。
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