ワタシノキモチ





ほんとうに、あと少し。
なんでこの世界には永遠がないのだろう…








春が来てしまう。
別れの季節が来てしまう。
準備ができてない。








もう会えない。
わかってるけど、認めたくない。








『がんばれ』と言おう、最後には。
ばいばいは言わない…








ずっと君を見てたけど、
知らない色に染まっていくキミを
もうスキでいられそうにない。








コソコソ話した理科室。
ケンカした美術室。
たくさん笑った教室も、もう戻れないなんて。
悲しすぎて泣けてくる。








だいじょうぶ。
キミがいなくなったって平気。
弱いわたしの最後の強がり。








わたしといる時、キミは
何を思っていたの?
何を思って数学を教えてくれてたの?
ただの親切でもキミは
プリントをコピーしてきてくれるの?








めいわくだなんてわかってるよ。
だけど、自分の人生で、
自分のキモチを優先させちゃダメですか?







ただ笑ってた。
キミとの別れが悲しすぎて、
笑うことしかできなかった。








くちびるかんで
さみしさかくした。
にじんだ血はかくせなかった。









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