LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「オレの傷、痛かったか?」



「痛かったです」



うつむいた安豊寺が弱々しく見えた。


ごめんと、つい謝りそうになった。オレのせいじゃないのに。



「頼んでない。大したケガでもなかった」



「大したケガです!」



「オレにとっては、日常茶飯事だ。ケンカばっかりだからな。箱入りのお嬢さまには、想像もつかないだろ」



「そういう言い方、嫌いです! わ、わたしは別に、あなたのためじゃなくてっ、自分の自己満足のために、治しただけだから! だって、わたしのせいでケガしたみたいで。そ、そんなの、見てるだけで、痛いから……」



言葉尻がすぼんでいく。


< 103 / 485 >

この作品をシェア

pagetop