LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
門をくぐるまで、安豊寺は無言だった。
さよなら、と師央が手を振った。
その後になって、安豊寺はようやく声を発した。
「待って!」
門の格子の向こうから、青い目がオレをとらえた。
人形みたいに整った顔が少しこわばっている。
「煥先輩、今日、ご、ごめん、なさい。わたし、生意気ばっかりで、口ばっかりで。足手まといにしかならなくて。何も、できなくて。役に立てなくて」
急に何を言い出すんだ?
オレは左腕を掲げてみせた。
「できるだろ。役に立ってる。安豊寺のおかげで、無傷だ。兄貴に叱られなくてすむ」