LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「わかった、鈴蘭」
呼んでみて、また息が止まって、騒ぐ胸に戸惑って、鈴蘭に背を向ける。
意味がわからない。
名前を呼ぶだけで胸が苦しい。
普段は、誰の名をどう呼ぼうと平気だ。
亜美さんも寧々も、下の名前で呼んでる。
鈴蘭。その名前だけ、どうして? まるで何か特別なチカラを持つみたいに。
黙っていた師央が、口を開いた。
「ぼくは、知ってました。鈴蘭さんも能力者だってこと」
「未来で見てきたからか?」
「直接は見てません。だって、__は__、__から」
「話せないなら話すな。半端な情報は、かえってイライラする」
オレの八つ当たりに、師央はまじめにうなずいた。
そして、話のトーンを変えた。
「おなかすきましたね。夕食、何を作りましょうか?」