LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「あっきーも、気軽に恋してみない?」
朝一番から、兄貴は横暴だった。
「鈴蘭さんを迎えに行ってやれ」
「は? 何で?」
「昨日、通い慣れた通学路で襲撃されたんだぞ。不安な思いをしてるかもしれない。実際に危険があるかもしれない」
「だからって、どうしてオレが?」
「三年の進学科は今日、必修の朝補習だ。生徒会長のおれがサボれるはずもないだろ?」
嘘つけ。普段は要領よくサボってるくせに。
朝飯を作る手を止めて、師央が振り返った。
いつの間にエプロンなんか用意した?
「ぼくも一緒に行きましょうか?」
「頼む」
師央がいるほうがまだマシだ。
女と二人きりなんて、冗談じゃない。