LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
こいつの話のリズム、ウザい。
そろそろ本気でイライラしてきた。
「要点だけ話せ」
《はいは~い。ま、要点だけ言うとね。おれの能力は、号令《command》。おれが放った号令、命令は、人を従わせる。効果の強さ弱さのバラつきは出るけどね》
確かに、兄貴に対しては効果が弱い。
能力者であるオレたちには効果がない。
「能力が及ぶ範囲、広いみたいだな」
「そーでもないよ? 今ここでは、すっげー緩い号令だけ出してんの。こーんなふうにね」
理仁が短く深く息を吸った。
改めて号令《command》が発せられる。
《カッコいいって気持ちに正直に行動して。ただし、人をケガさせちゃいけないからね~》
「はーい!」
女子たちの声が一斉に答えた。