LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


こいつの話のリズム、ウザい。


そろそろ本気でイライラしてきた。



「要点だけ話せ」



《はいは~い。ま、要点だけ言うとね。おれの能力は、号令《command》。おれが放った号令、命令は、人を従わせる。効果の強さ弱さのバラつきは出るけどね》



確かに、兄貴に対しては効果が弱い。


能力者であるオレたちには効果がない。



「能力が及ぶ範囲、広いみたいだな」



「そーでもないよ? 今ここでは、すっげー緩い号令だけ出してんの。こーんなふうにね」



理仁が短く深く息を吸った。


改めて号令《command》が発せられる。



《カッコいいって気持ちに正直に行動して。ただし、人をケガさせちゃいけないからね~》



「はーい!」



女子たちの声が一斉に答えた。


< 129 / 485 >

この作品をシェア

pagetop