LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―

「ぼくと彼女では、時代が違います」



昼休みに偶然、師央を見付けた。


寧々が一緒だった。



裏庭のバラ園だ。虫が出るからって、案外ひとけがない場所。


オレはここを気に入ってる。


ってことは、そっか。虫じゃなくて、バラ園に人が寄り付かない理由はオレか。



師央と寧々は並んで座っていた。


弁当を食べた後らしい。


話し込んでる様子で、オレに気付かない。


寧々が師央に手のひらを見せている。



「すっごいザラザラでしょ? 左手は弓のグリップでこすれるし。ほら、親指と人差し指の間とか、硬くなってて。


右手も、タブでこすれた跡がタコになってるの。タブって、弦から指を守るプロテクターなんだけど」


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