LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
兄貴は肩をすくめた。
「理仁、話したいことって何だ? 早めに切り上げてくれると助かる」
「おや、文徳、忙しいの? 生徒会の仕事?」
「バンドのほうだよ。もうすぐ高体連の地区予選だろ。壮行会で演奏することになってる」
「なるほどね~。じゃ、簡単に言うけど。内緒話モードでね」
理仁の声の質が変わった。
音を持たない声が直接、オレの中に鳴り響く。
《緋炎が買収されたって話だ。買収した母体が何者か、わからない。しかも、伊呂波家を探る動きがある。瑪都流を、じゃない。白虎の伊呂波家を、だ。とにかく気を付けろ》
兄貴が目を細めた。
「忠告ありがとう、理仁」