LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


師央は理仁の言葉にうなずきかけた。


でも、途中で、かぶりを振った。



「少しだけ、話させてください。ぼくも能力者だってこと、理仁さんは見抜いたから。それに、煥さんにも鈴蘭さんにも、話さなきゃ。昨日の夜、ぼくが障壁を出せた理由を」



鈴蘭を送って行く途中、緋炎に襲われた。


そのとき、確かに師央は光の障壁を作ってみせた。


あれはオレの能力だ。



師央は自分の喉に手を触れた。


口を開く。


声を出す。発声練習をするように、短く区切りながら。



《あ、あ、あ……聞こえて、ますか?》



理仁が目を見開いた。愕然とした顔。



《この声質、おれの号令《command》!?》


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