LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


師央が発したのは、音を使って言葉を相手に届ける声ではなく、相手の意識に直接命じるための声だった。



《見よう見まね、です。声の能力だから、聞きよう聞きまね、かな?》



鈴蘭が小首をかしげた。


長い髪が風に遊んでいる。



「師央くんは、他人の能力をコピーできるの?」



《コピーというほど、完全じゃないです。まねするのは、難しいし。今だって、ゆっくりじゃなきゃ、しゃべれません。この能力は、習得《learning》。伯父が名付けました》



預かり手の能力は、その人柄や個性に由来するらしい。


だから、同じ能力が存在することのほうが珍しい。



《これで、少し、ぼくのこと、わかりました?》


< 152 / 485 >

この作品をシェア

pagetop