LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「先輩? 詳しく聞かせてもらえませんか? わたし、まだ勉強中です。でも、少しは心理学の知識もあるし。先輩の痛みを分けてもらえませんか?」



型どおりの言葉。むしろ、信用できない。



「あんたの能力が、体の傷だけじゃないなら。痛みを引き受けて傷を治す癒傷《nurse》が、心理的なところにも使えるなら」



「治させてもらえるんですか?」



「気が狂うぞ」



「そんな」



孤独、自責、不信。


悲しみを通り越して、怒りを通り越して、知ったのは絶望。



「恵まれて育ったお嬢さま。あんたじゃ、オレの傷は治せない」



だから近寄るな。


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