LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「そんな言い方、大嫌いです!」
「好かれたいとも思ってない」
「さ、最低! 見損ないました」
鈴蘭が大きな音をたてて荷物をまとめる。
椅子を蹴飛ばすように立ち上がった。
でも、出ていこうとしない。立ち尽くしている。
「まだ何かあるのか?」
鈴蘭はうつむいた。長い髪が顔を隠した。
「送ってくれるんでしょう?」
その約束、生きてるのか。
オレは鈴蘭の手からカバンを取った。
相変わらず、中身が詰まっている。
オレは歩き出した。
黙ったまま、鈴蘭がついて来る。
心臓の動きが静かだ。
これくらいでちょうどいい。
嫌われてしまうほうが気楽だ。