LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「ファンが多いのも納得ですね」
明日が壮行会っていう日。要するに、全校生徒の前でライヴをする前日。
放課後にリハをやる予定だった。
兄貴たちは張り切っていた。
オレは乗れずにいる。
昼休み、バラ園のあずまやのベンチに寝転んでいた。
木製の天井。花の匂い。どこか遠くから聞こえてくる、誰かの声。
調子が悪い。
体調じゃなくて、精神的なほうが、どうしても。
最低、と言われた。見損なった、と言われた。
鈴蘭はあれ以来、挨拶さえ寄越さなくなった。
朝夕の送り迎えは続いている。
だから、針の筵だ。
ふと、足音と気配がオレに近付いてきた。
寝転がったままで待つ。
やがて、視界にひょっこりと師央が現れた。