LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「とにかく、うるせぇよ。おまえには関係ない」



「関係あるって言ってるじゃないですか! ぼくのパパは煥さんで、ママは鈴ら……」



「黙れ」



バラ園に人が来る気配があった。


オレはベンチに座ったまま振り返る。


最悪だ。どうしてあいつがここへ?



うつむきがちに校舎から出て来たのは鈴蘭だ。


師央も振り返って、鈴蘭に気付いた。ジト目でオレを見る。



「チャンスですよ。ここ、人通りが少ないし、話してきたら、どうですか?」



「うるさい」



「早く仲直りしてください。演奏にも支障が出てるんですよ」



「オレは、本番でトチったことはない」



「すなおじゃないですね」



「だったら何だ?」


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