LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


壮行会の裏方がオレたちを呼びに来た。


次が出番らしい。



「よし、じゃあ行くぞ!」



円陣を組んだオレたちは、兄貴のかけ声で気合を入れる。



「っしゃぁっ!」



その瞬間、日常の雑音が消えていく。


自分の内側が水になる、そんな感覚。オレはこれから、自分へと潜る。



暗いフロア。さざ波のような、期待の声。



期待? 本当に? オレは、彼らに待たれているのか?



最初にドラムの牛富さんが、次にシンセの雄が、ステージに上がった。


さざ波が、歓声と拍手に変わる。


シンプルなセッションが始まる。エイトビート。ループする4コード。


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