LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
ベースの亜美さんが、ギターの兄貴が、ステージでのセッションに加わる。
歓声が大きくなる。
セッションが、ひとつの曲を形づくり始める。
シンプルなギターリフ。兄貴が初めて作ったリフだ。
「おまえのイメージで作ったんだぞ」
得意そうな兄貴の顔を、よく覚えている。
BPM200のアップテンポ。息がつけないくらい緊迫して、マイナーなコード展開がもどかしい。
速いリズムに鼓動を持っていかれる。叫ばずにいられなくなる。
兄貴がオレに合図を送った。
オレはステージへと駆け上がる。
押し寄せる熱気を正面から受け止める。吹き飛ばされそうになりながら。