LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレは歌い出す。
兄貴がオレのために書いた曲に、オレは、オレ自身を乗せた。
水のような自分自身に潜る。
息が続く限り潜ったら、ここは、冷たくて同時に温かい場所。
形のない自分自身を感じた。
バァトルって響き、勇者って言葉を、兄貴はオレに与えようとした。
そうなれたらいい、と願う。勇者になれたら。
世界を救うような、大それたモンじゃなくていい。
守りたい人を傷付けずに生きていく。それだけでも勇者だと、傷付け続けるオレはよく知ってる。
弱音だらけのこんな唄を、兄貴や仲間たちは誉めてくれた。
ヴォーカルでいる限り、オレは存在を許されるのかな、と思う。