LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
たった二曲だけのステージだった。
それでも、全力で歌った。
兄貴が書いた曲、仲間たちの演奏に守られて。無防備なほど、自分自身と向き合って。
歓声の中で、兄貴がオレの肩に腕を回した。
「な、おれの言ったとおり、歌えただろ? いい顔してたぜ。アンコールと言いたいとこだが、撤退だ。壮行会の進行を乱すわけにはいかないからな」
オレたちはステージ袖に引っ込んだ。
裏方や出演者たちが群がってくる。
「お疲れさまです!」
「カッコよかったです!」
「握手してください!」
「生徒会長~!」
「亜美さまイケメン!」
「煥先輩、大好きぃ!」
ウザい。