LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレは人混みを掻き分けて進んだ。
ステージ袖を抜ける。
ついでに、体育館からも出る。
外の空気に、ホッとした。
五月の風は心地よくて、木漏れ日がまぶしい。
「煥さん!」
呼ばれて、振り返る。
師央だ。
そういえば、ステージ袖にいなかった。
どこ行ってたんだ? と訊こうとして、答えがわかった。
師央は鈴蘭と一緒だ。鈴蘭を連れに行ってたんだろう。
「お疲れさまです、煥さん! やっぱり、すっごくカッコよかったです! ファンが多いのも納得ですね。ね、鈴蘭さん?」