LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「普通にしてればいいだろ」
鈴蘭が、胸の前で拳を握った。
子どもみたいな形の拳だった。
「先輩のバカ! ふ、普通にしてられるはず、ないでしょ!? だって、く、苦しいくらいドキドキしてるんです! ステージで、煥先輩、カッコよくてっ、カッコよすぎたんです!
あんな声で歌われたら、わたしっ、と、とにかく! お疲れさまでした! この間はごめんなさい! それだけです! カッコよかったです! 失礼しました!」
鈴蘭は一瞬で体育館へ逃げ込んだ。
「マジかよ」
取り残されたオレは、加速する鼓動を数えながら、急激に熱くなる顔を右手で覆った。