LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「くっつけるとか、進展とか。いちいちうるさい。オレの行動に口出しするな」
師央は上目づかいでふくれる。
でも、うなずかない。
意外に頑固なやつだ。
最近、暖かい日が続いてブレザーが暑苦しくて、今日は家に置いてきた。
上はカッターシャツに、緩めたネクタイだけ。下も夏服のズボンに替えた。
その放課後、図書室で。
「煥先輩、ボタンが取れかけてます」
鈴蘭がオレの襟元を指差した。
さわってみると、いちばん上のボタンがぶら下がっている。
「よく気付いたな」
「た、たまたま見えたんですっ。わたし、付けましょうか?」
「必要ない。こんなボタン、留めないし」