LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
鈴蘭が、ムッと眉を逆立てた。
「式典のときは、ボタンを全部留める! 校則ですよ? 付けてあげます」
鈴蘭はカバンから小さな箱を出した。
化粧のコンパクト? と思ったら、裁縫箱らしい。針と糸が出て来た。
「じっとしててください」
「おい、やめろ。この状態で作業するのかよ?」
「動いたら危ないです」
「動かなくても危ないだろ」
「わたし、家庭科もそこそこできますよ?」
そこそこじゃ怖い。
ったく。お節介もいいとこだ。
オレはネクタイを解いた。カッターシャツのボタンを外す。
「せ、先輩、何脱いでるんですかっ!?」
「下にTシャツぐらい着てる。期待すんな」