LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
不良たちが爆笑する。
「誰が返すかよ! こいつ、バカじゃね? お坊ちゃんはお勉強しかできないのかなぁ?」
鈴蘭がオレの隣で憤慨した。
「何よ、あれ! 感じ悪い! 止めなきゃ!」
言うと思ったが、鈴蘭が出ていくのは無謀だ。
オレは鈴蘭と師央を牽制した。
「ここから動くなよ。オレが威嚇してくる」
「先輩、暴力はダメですよ?」
「向こう次第だ」
「煥さん、カバン持っておきましょうか?」
「頼む」
オレはカツアゲの連中に近付いた。
不良の輪の中心に、灰色の詰襟の男が見えた。
意外に飄々《ひょうひょう》としている。
「言葉は正しく使ってくださいね。返すつもりがないなら、くれ、と言うべきです」