LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「正しい言葉を使えば、金くれんのか?」
「まさか」
「優等生気取りのボンボンがナメんなよ!」
「気取ってるわけじゃなく、優等生だけどね」
大都高校のそいつは、すらりと背が高い。
墓石とあだ名されるグレーの詰襟なのに、こいつが着てると、違う代物みたいだ。
緩く波打った髪。目は緑がかっている。彫りの深い顔立ちには笑みがある。
そいつは何気なく立っているように見えた。
でも、実は両脚のバネがたわめられている。
いつでも飛び出せる構えだ。
鍛えてあるらしい。相当、強い。
大都にもこんなやつがいるのか。背中を丸めたガリ勉ばっかりだと思っていた。