LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
ケンカと呼べるレベルでもない。
手応えのある相手は、めったにいない。
無駄なく一撃ずつで沈めたのが、六人。
残るはあと一人だった。
でも、オレの視線の先で、それも倒れた。
倒したのは、大都高校の優等生だ。
「慣れてるみたいだな、あんた」
オレの言葉に、そいつは笑った。パタパタと両手をはたく。
「優等生も、ムシャクシャすることがあるんです。たまにはこうして息抜きしないとね」
「ふざけた野郎だ」
「型に嵌るのは苦手なんですよ」
「オレに会いたかった?」
「ええ、伊呂波煥くん。そのつもりで待っていました。でも、日を改めようかな」