LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
そいつは、オレの肩越しに視線を投げた。鈴蘭と師央がいる。
「ここじゃ話せないことか?」
「話してもいいんだけどね。でも、もう少し情報がほしくなりました。あ、危険な取引なんかじゃないですよ。まあ、興味を持ってもらえたら嬉しいな」
そいつは、重たげなカバンを肩に引っかけて歩き出した。
オレの隣を、すっと通り過ぎる。
かすかな風圧。足音がしない。
オレはそいつの動きを目で追った。
そいつは鈴蘭と師央に軽く会釈をする。そのまま歩いていく。
鈴蘭は怪訝そうな顔をしていた。
師央の表情がおかしい。目を見張って、かすかに震えている。
師央は、歩き去ろうとする背中に叫んだ。