LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「カイガさん!」
そいつがゆっくり師央へと向き直る。
顔は微笑んでいる。体は隙なく身構えている。
「どこかで会いましたっけ?」
後ろ姿の師央が何かを叫んだ。
でも、声は聞こえない。
カイガと呼ばれた男が首をかしげる。
師央は、かぶりを振った。黙って頭を下げる。
カイガ、というのか? 未来での知り合いか?
師央は何を話せずにいるんだ?
カイガというらしい男は手を振って、今度こそ立ち去った。
時間の流れが急にもとに戻った気がした。
足元のそこここで、緋炎の下っ端が呻いている。
オレは鈴蘭と師央を促した。