LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「二人が起き出す音が聞こえました。それで、目が覚めました。こんな時間に、どこに行くんですか? その格好は?」
兄貴が肩をすくめて、オレを見る。
オレはメットをかぶった。
「走るための格好に決まってるだろ」
師央が近寄ってきた。
視線は、オレたちの愛車に向けられている。
「両方とも、リッターバイクですよね? ライトもマフラーも、ずいぶんレトロだ。ボディ、細かい傷がけっこうありますね。古い車体? でも、リッターってことは、免許は?」
排気量1,000cc級のバイクをリッターと呼ぶ。
400cc以上が大型バイクだ。
大型の免許は、満十八歳以上じゃなきゃ取れない。