LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「二人のおとうさんのバイク、ですか。道理で、ずいぶんレトロな車体なんですね」
レトロって言い方は大げさだろ。せいぜい十年前の型だ。
と言おうとして、思い至る。
師央が本当に未来からきたオレの息子だというのなら、師央の時代は二十年くらい後か?
それじゃ確かに親父のバイクは、師央にとっては骨董品だ。
師央がオレのバイクに顔を寄せる。
メンテは欠かしていない。
古い車体でも、ちゃんと磨いてある。
「乗ってみたいか?」
無意識のうちに訊いていた。
師央が振り返った。
「乗せてもらえるんですか?」
目が輝いている。
師央は部屋着のままだった。
防寒できる服に着替えるよう指示した。
ついでに、予備のメットも取って来させた。