LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
戻って来た師央に、兄貴が言った。
「師央は、煥の後ろに乗せてもらえ」
「オレかよ?」
「煥のマシンのほうがパワーあるだろ。200ps級だぜ。リミットまで外してある」
「オレが外したわけじゃない。親父の趣味だ」
「何にせよ、乗りこなせるのは煥だけだ。おれでさえ、そいつの性能は出し切れない」
兄貴は、サラッと流すふりをした。
正直な悔しさが、言葉の裏ににじんでいる。
何度か、兄貴を後ろに乗せたことがある。
オレをうらやましがる顔が本気だった。