LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
小柄な師央を、オレの後ろに乗せる。
遠慮してるのがわかる。
さわるなと、いつも言うせいだろう。
「しっかりつかまってろ」
「いいんですか?」
「振り落とされたいか?」
「イヤです」
「じゃあ、つかまれ。それと、習得《learning》しろ。乗り慣れてるやつを乗せるほうが楽だ」
兄貴がメットのシールドを上げた。
底光りするような目で笑う。
「そろそろ行くぞ。あいつらも待ち兼ねてるはずだ」
品行方正な生徒会長の仮面の下に、ギラギラしたリーダーの素顔。
兄貴の野性的な本当の目。
二つのエンジン音が高らかに吠える。
オレたちは夜の町を疾走する。